理事会への監事の出席義務

監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければなりません(一般法人法101①・197)。このような意見陳述の義務を全うするためには理事会への出席が欠かせません。

監事には、理事会に出席し、法人の業務に精通するとともに、理事会で業務執行の意思決定が行われる際、その内容や手続において、法令・定款に反する決議や著しく不当な決議が行われることを防止する機会を持ち、理事に責任問題が生じないように監視する役割が課せられています。

監事としては、決議の背景事情や、決議が行われる際に具体的にどのような議論がなされたのか、問題点としてはどのようなことが議論されたのか知っておく必要がありますし、威圧などの不当な手段がなく理事会の場で適法・適切に議論がなされたのかを監視しなければなりません。

監事の理事会への出席は、監事の義務であって、監事に出席の機会を与えたにもかかわらず欠席した場合については、当該欠席監事の任務懈怠にはなりえても、理事会自体の決議の手続きに瑕疵があったということにはなりません。したがって、監事が出席しなかったことだけをもって理事会決議が無効になるということにはなりません。

もっとも、たとえば監事への理事会招集の通知を怠った場合や、あるいは通知があまりに直前で事実上監事の出席が著しく困難であった場合など、実質的にみて監事に出席の機会を与えられていたとは評価できないときは、理事会決議に手続上の瑕疵があるものとして決議が無効とされるおそれがあります。

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